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UX Masterclass (Chicago)参加報告

2011年10月3日
UXエバンジェリスト 金山

前回のBlog記事で予告していたように、2011年9月15日-16日にシカゴで開催されたUX Masterclassに参加してまいりました。本記事では、刺激的で有益な体験の中から印象に残った内容についてご紹介したいと思います。

サービスデザイン

カジノでのUX、航空機内のUXなどをサービスの利用開始から終了までの全体をサービスと捉え、それぞれの局面におけるUXも考慮しながら、サービス全体としてのUXを包括的に作り込む取組みが紹介されていました。カジノの事例では、アンケート結果を顧客のグレード(プラチナ・ゴールド・シルバー)に重みを付けて積算し、サービスに対するスコア化が行われていました。顧客満足度を定量化して重点課題を見出し、投資効果が定量的に評価できるようにすることで、顧客ロイヤルティーを高めて成功を収めたそうです。

ソーシャルメディア

企業でのTwitterを使った広報活動について、UXの観点から把握するために行った調査の報告がありました。調査対象は、フォーチュン誌の「世界で最も賞賛される企業(2010年)ランキング・順位トップ50」の内、Twitterアカウントを持つ10社(BMW, Cisco Systems, Hewlett-Packard, IBM, Intel, Microsoft, Nokia, Samsung, Sony, Toyota Motor)でした。これらのグローバル企業に対して17ヶ国からTwitterを使って質問することで、返信の有無・返信までの時間・返信内容などを評価する調査でした。スコア上位の企業の対応状況からは、積極的で真摯な対応が分かりましたし、発信オンリーで返信しない方針の企業があることも分かりました。ヨーロッパ全体で一括して英語で返信する企業もあり、各国語対応への細やかな対応の必要性が指摘されていました。(UX allianceのネットワークを活用して世界各国で同時に協力して調査が行えることはとても魅力的なことです。)本調査の結果は、UX allianceのウェブサイトで「Around the World in 140 Characters」として公開されていますので、ご興味があればご覧ください。

Around the World Panel (UXMasterclassの目玉セッション)

11ヶ国(U.K.、アラビア、ブラジル、ロシア、日本、オーストラリア、ドイツ、イタリア、南アフリカ、アイルランド、中国)の代表が自国の典型的な特徴やそれらを踏まえたユーザー調査時のノウハウについて紹介しました。興味深かった点を以下に挙げてみます。

このようなグローバルなユーザー調査を行う際のノウハウは、「Handbook of Global User Research」として出版されており、UX allianceでは最新のノウハウを共有できるように各国のパートナーが連携して活動しています。折に触れて本Blogでもご紹介して行きたいと思います。

ちなみに、次回のUX Masterclassは南アフリカのヨハネスブルクで2012年3月29日-30日の開催が予定されています。このグローバルなUXイベントに皆さんも是非参加されてはいかがでしょうか?