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UX Russia 2011(Moscow)参加報告2

2011年10月11日
UXエバンジェリスト 金山

今回は、UX Russia 2011でどのようなプレゼンがあったか、印象に残ったものをピックアップしてご紹介したいと思います。

キーノート

"Search Patterns: Design for Discovery"  Peter Morville (Semantic Studios)
Peter MorvilleはIA(情報アーキテクチャ)分野の第一人者です。著書としては、「Information Architecture」「Ambient Findability」「Search Patterns」などが挙げられます。今回のプレゼンでは「検索」にフォーカスして、欲しい情報を簡単に見つけ出せるようにどのようにデザインするかを説明していました。それらのノウハウはFlickr上でサーチパターンとして掲載されています。

"Innovation vs. Best Practice -- conflict or opportunity?" Eric Reiss (FatDUX Group)
「発明は偶発的に起こるが、イノベーションは問題を解決するためのものであり常に計画的である」「直観的な解決策は説明不要」などイノベーションの法則が幾つか示されました。また、イノベーションとベストプラクティスのライフサイクルについての説明の中では、陳腐化しないようにイノベーションを繰り返す必要性が示されました。事例の中で面白かったのが、マウスウォッシュの新しい容器です。その容器は使用量を量り易く考えられたはずなのですが、彼のかかりつけの歯医者さんに使ってもらうと使い方が全然分からず、悪戦苦闘していました。どんなに素晴らしい機能でも、直観的でなければ役に立たないと言うことです。

ロシア語のプレゼン

"Using eye-tracking in fashion design" :タイトル通り、ファッションデザインに視線解析を利用した発表です。ファッションのどこをチェックしているのか、ヒートマップによりビジュアルに示されています。
"How to start with a breeze and end up with a storm":日本のKJ法、狩野メソッドが紹介されていました。「KJ法で現状を分析・把握して、顧客満足を目指しましょう」と言うことだと思われます。UX分野でも日本の手法や考え方が見直されているのかもしれません。

その他の傾向としては、モバイル関連(iPhone, Android, Windows phone, Cross Platform)、オンラインのショッピング・広告・決済・検索に関するものが多かったことが挙げられます。また、画面デザイン、インタラクションデザインや開発プロセスへのUCD導入などのプレゼンもありました。全体的に、(超)上流の調査系は少なかった印象です。