iOSは「フラット」になっただけではない(前編)
アップルが携帯端末向けの次期OS、iOS7を発表しました。
iOS7はビジュアルやUI面で現行バージョンから大きく刷新され、従来がiBooksアプリのように、現実のものを視覚的に模してデザインしていたのに対して、本バージョンでは装飾をなるべく控えた機能的なデザインとなっています。
そのアイコンやビジュアルデザインについて、立体感を無くして平坦に表現したことから、俗に「フラットデザイン」と呼ばれています。そして、その面にのみスポットライトを当てた記事をよく目にします。
しかし、私としては以下2点の方が本質的な変化だと考えています。ここでは完成度が高いと言われていたiOSがなぜそうした変化をしたのかを考えてみます。
- コンテンツに一段とフォーカスする
- 「見て理解する」から「触って理解する」へ(次回お話しします)
コンテンツに一段とフォーカスする
天気アプリ―天気を体感
(アップル社のサイトで実際の動作を確認いただけます。上記画像の出典もこちらからです)
天気アプリは、まるで窓の外をのぞいているような気分になる
と言うように、全画面で実際の天気を背景に敷いて見せるUIへと刷新されました。生き生きと動く天気と大きな気温表示によって天気を体感できるようになったと言えるでしょう。コンテンツを効果的に見せることにフォーカスした結果、カードという見せ方を変えた方がいいという結論になったのかもしれません。
こうした方向性はWindows 8/Phoneにも見られ、そのデザイン原則にはユーザーがコンテンツに没入できるように、最も重要な要素だけを画面上に残して、簡潔で目的性の高いエクスペリエンスを実現します
とあります。実際に同OSの天気アプリもiOS7と同様にコンテンツにフォーカスした見せ方が採用されています。
Safari―ナビゲーションを脇役に
(iOS7版 Safariの画像はiOS7のページでご確認ください)
Safariアプリは、上部アドレスバーと検索バーが統合され、常時表示されていた下部のボタン類はスクロール時に隠れるようになりました(ページ最下部まで移動するか、上に戻ろうとすると再度出現します)。
ブラウザナビゲーションは脇役に徹し、主役であるコンテンツをより前面に出すようにしたと言えます(これより以前からコンテンツをより前面に出すデザインを採用していたものとして2008年に発表されたPC向けGoogle Chromeブラウザが挙げられると思います)
このようにiOS7では、コンテンツをより効果的に見せる、主役にする方向性が見られます。少し長くなりましたので、続き(「見て理解する」から「触って理解する」へ)はまた明日、お話しします。
7/19 追記:後編を公開しました
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