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USID2011 (Auroville,India)参加報告2 (カンファレンス編)

2011年11月9日
UXエバンジェリスト 金山

参加報告の2回目は、カンファレンスの内容についてお伝えいたします。

イベントのテーマは、「Designing for Social Innovation & Sustainable Development」でしたので、関連した発表が幾つもありました。

子供・教育関連

「Social Interactive Environment for Children」では、子供の教育環境をデザインするために子供を中心にインタビュー調査を行い、Age groups, Activities, Emotions, Accessories と言うキーワードを見つけだした後、インタラクティブな学習環境をプロトタイピングしながら作り上げていく様子が紹介されました。その他、「Some Innovation Challenges in using for ICT Education in India」では、コンピュータを使った教育環境の中で、個人やグループ間のフレンドリーなゲーム感覚の競争を持ち込み、自分の進歩・達成に対する褒賞を与えることで学習を活性化する取り組みが紹介されました。子供向けの教育を重要視した発表が多かったのが印象的でした。

イノベーション関連

「Innovations in Computing for Global Development」では、マイクロソフト社のリサーチャーが現地調査を通して、どんな技術を適用してイノベーションを起こそうとしているか紹介されました。その中の1つで「Intermediated Technology Use in Developing Countries」と題して、技術に疎い人でも代わりに操作してくれる人を介して各種のサービスを利用できるようになった事例が示されました。
Sustainabilityとも関連付けて、水を節約するトイレではなく、水を使わないトイレのデザインが提案されました。文明と逆行するようですが、環境も考慮した斬新な視点だと感じました。

自分の発表

今回も「Trends of Mobile UX in Japan」のタイトルで発表しました。反響はまずまずで、「震災後の生活や興味の変化が勉強になった」とか「日本で経験した地下鉄についてインドに戻ってうまく説明できなかったが、今回の発表でよく分かるように説明してもらえた」など、多くの人が声をかけてくださいました。質問としては、「お財布携帯はどうやって使うのか」とか「電車の中で電話するのはマナー違反なのは何故か」などでした。予期していませんでしたが、そう言うところが気になるのかと、質問を受けて初めて気づきました。

アトラクション

夜のパーティーでは、アトラクションとしてヨガ風の踊りがあり、Movie FestivalではSustainabilityに関連した2つの映画が上映されました。インドの年間映画作成本数はハリウッドを上回るとのことで、踊りや映画などのエンターテイメントが日常生活に馴染んでいるのでしょう。日本の映画やアニメのファンもいて、日本文化はインドでもうけていました。

オーガニックファーム見学

農薬を使わず、動物と共存した環境でどのように農作物を栽培しているか、現地の人から説明を受けました。都会ではなかなか味わえない環境です。人間の原点に戻った感じがして、今の生活はもしかしたら、本来必要の無いものを便利だからと当然のように使い続けているのではないかと思いました。テクノロジーのあり方を考え直す良い機会になりました。