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Interaction South America 2011(Belo Horizonte, Brazil)参加報告

2011年12月5日
UXエバンジェリスト 金山


Interaction South America とは

Interaction South America はIxDA(Interaction Design Association)が主催するカンファレンスの南米版です。2009年から数えて3回目となる今回はブラジルのベロオリゾンテで開催されました。UX関連イベントとしては南米最大規模の約600名が参加していました。初日に6つのワークショップがあり、2日目以降は大きな会場に全員が集まり、1時間ずつのプレゼン(ポルトガル語⇔英語の同時通訳つき)が夜8時まで続きます。

ワークショップ

初日は、Mike Kuniavsky氏のワークショップ「Designing smart things: user experience design for networked devices」に参加しました。Kuniavsky氏は、『Observing the User Experience』(和訳:ユーザ・エクスペリエンス ユーザ・リサーチ実践ガイド)の著者です。『Smart Things』も執筆しており、身の周りのデジタル製品に強そうな印象があります。

ワークショップ前半でデジタル製品の失敗事例として「インターネット冷蔵庫」があげられ、「ブラジルでは誰も使わない」と多くの参加者が(賛同の)ダメ出しをしていました。
後半は15分、30分くらいの短い時間に区切って、アイデア出し、コンセプト決め、投資家へのプレゼン、ペーパープロトタイピングを行うグループワークでした。健康情報が取得できるトイレの案では、実際に紙でトイレを作っていましたし、近所の住人同士で情報交換できる共有ディスプレーの案では、レシピをシェアする様子を画面の紙芝居+利用シナリオに沿った実演を行うなど、アイデアを形にして演じるところまで表現していました。

プレゼン

15人のスピーカーによるプレゼンの中で、印象に残ったメッセージをご紹介します。

  「サービスのアバターを(目的・状況に合わせて)デザインする」
  「解決すべき問題にフォーカスして、組織をデザインする」
  「コミュニティーと協力して、日常生活の観察を通してデザインする」
  「日常生活のコンテキストの中で、データをビジュアル化する」
  「エスノで共感を得て、意味ある再編を行い、プロトタイプで確認する」
  「すべてのデザイナーは、ユーザーがいる場所にいくべきである」

参加者との交流

スピーカー、イベント主催者、IxDA関係者、UPA(Usability Professionals' Association)のブラジル支部の方、父親が日本人の方などと交流することができました。雑談の中で、ブラジルのUX事情を聞き出したところ、ブラジルではIxDAが最も勢いがあるUX系団体とのことです。ネット上で調べてみたところ、メンバーは500名以上、支部は16か所に存在していました。特に、今回のイベント開催地であるベロオリゾンテやサンパウロなど、南東部にUX系企業が集まっているとのことです。

オリンピックやサッカーのワールドカップの開催も予定されているブラジルは、UX分野でも急成長しています。地球の反対側で遠い国ですが、ウォッチして行きたいと思います。