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UX Masterclass in Johannesburg 参加報告

2012年4月3日
UXエバンジェリスト 金山

3月30日に南アフリカで開催されたUX Masterclass についてご報告いたします。

イベント会場は、ヨハネスブルグのHyatt Regency Hotelで、約170名のUX関係者が参加しました。南アフリカでは国際的なUX関連イベントは初めてのようで、地元南アフリカから多くの人が参加していました。

最初に基調講演として「Social media marketing - how to build a sustainable relationship with your customers」との題目で、南アフリカ大手銀行 FNB (First National Bank) のLana Strydom 氏のお話しがありました。ソーシャルは単なるツールでなく、企業のブランド&コミュニケーション戦略の一部として取り組んでいるとのことです。また、ソーシャルを使った顧客サービスも重要な要素とのことでした。イベント会場のホテルに隣接するショッピングモールには大きな銀行が林立しており、南アフリカの経済的な中心地であるヨハネスブルグにおける銀行の役割の大きさを感じさせられました。

基調講演の後、3つのトラック(UX Design、UX Research、UX Strategy and Business)に分かれて、合計15のセッションが行われました。私が聴講したセッションから興味深かった内容をピックアップしてご紹介いたします。

The business value of UX design (Phil Barret氏 Flow Interactive, South Africa)

「UXはコストではなく(最も効果的な)投資である」とのメインアイデアを説明するために、売上増、サポートコスト削減、差別化、製品開発の時間短縮などのメリットが事例と共に紹介されました。

International bank benchmark - lessons learnt from the banks' mobile & web sites(Helga Letowt-Vorbek 氏 Mantaray, South Africa)

UX allianceメンバーが協力して行った銀行サイト(ウェブとモバイル)のグローバルな調査結果が紹介されました。原文のレポートは英語ですが、公開されたら本Blogでもご紹介いたします。

Designing for the digital-native generation(Eric Marillet氏Axance, France)

フランスで行ったデジタルネイティブ世代の生活に関する調査結果が報告されました。ネット無しの生活が考えられないくらい依存している人がほとんどで、メールやBlog投稿を効率よく使うために、BlackBerryなどのハードキーボード付きのモデルが最も使われているそうです。最も使われているサイトのトップ3は、Facebook, YouTube, Wikipedia とのことで、試験前は特にWikipediaは必須だそうです。Apple社の製品よりもSONY社の製品が好まれるそうで、地域と世代を選べば日本が有利な領域が存在しているのかもしれません。

Back to the future - the history of usability meets the future of user experience(Carola Weller氏 GfK SirValUse Consulting GmbH, Germany)

Usability と UXの歴史を振り返った後、現在、どのようにしてUXの効果を測定するべきか考えていると紹介していました。取組結果は「UX Score」として整理する予定とのことで、公開されるのを楽しみにして待ちたいと思います。

イベント最後の恒例は、Around the world panel があり、Australia, Canada, France, Japan, Italy, South Africa, UK, USAから、それぞれの国の特徴を面白おかしく5分間ずつで紹介しました。日本からはミツエーリンクスのフランシスが日本のウェブサイトのトレンドについて紹介しました。


次回のUX Masterclassは、半年後、ロシア(モスクワ)にて開催される予定です。詳細が分かってきましたら、本Blogでもご紹介したいと思います。